Predictably irrational- 予想どおりに不合理 第13章
第13章 ビールと無料のランチ
不思議なタイトルですがこれが最終章でした。
「このレストランには4種類のビールがありまして。。」ウェイター扮したDanが、お客にいいます。
Danの疑問は
・人々は他の人の行動に影響されて行動をおこす
▶︎その結果、果たして人間は幸せになるのだろうか?
というものでした。
「スタンフォードの自分を変える教室」でも、人間の脳は周りの決断や行動に従うようにできていると説明していましたが、今回はその結果についての実験です。
そして自らウェイターになり、途中で卒業生に見つかりながらもデータ集めを始めました。
内容:
・グループで来ている客に、声に出してオーダーしてもらう
・ グループで来ている客に、個々に紙にオーダー内容を書いて提出してもらう
(→他の客は見ない)
結果:
場所を変えて再度行っても、声に出してオーダーした場合と
紙に書いてオーダーした場合、嬉しさの度合いが異なり、
声に出してオーダーした場合は多くの種類のビールが注文され、
紙に書いてオーダーしていること種類が減りました。
そして、嬉しさの度合いは、紙のオーダーの方が高かったのです。
というのは他の人がオーダーしていないものをあえて頼むことで
個性的な人間性をアピールするために、自分の幸せ(欲しい物を食べるという幸せ)を削っているからのようです。
香港では、声に出してオーダーした場合の方が、種類が減るそうです。
アジアはもう少し協調性のある文化だからなのかもしれません。
せっかく同じ金額を出して、ご飯を食べるのですから美味しい物を食べたいものです。
ただお腹を満たすだけではなくて、美味しい物を食べて幸せな気持ちになる
これをDanは無料のランチと呼んでいました。
そのために、誰かが「何にする」という前に真っ先にオーダーするものを宣言しましょう。
最初に決めたものを貫きましょう。
【本のまとめ】
結局人の消費行動はこのようにして様々な要素に影響されています。
データ上は数字に過ぎませんが、いかにこのような要素がそのデータを占めているのか。はっきりとは断言できません。
自分の行動について知ると同時に、社会的な問題について
前もって弱さを補ったりすることで防ぐことも可能です。
例えば、前もって決めておく、進めておく、ということですが
財形などはそれに近いです。
今お金を出すのは嫌という人が多いですが、将来のお金は払っても良いという判断をする人が多いのも事実です。
退職金の運用が芳しくないアメリカでは、この財形方式にしたところ大きく貯蓄額が増えました。
個人で言えば、弱みを知ってそれを防ぐこと
事業で言えば、本当の消費者の気持ちや行動を知ることが近道なのだと思いました。
おしまい。