predictably irrational- 予想どおりに不合理 第8章
第8章 選択肢を持つということ
選択肢は私たちの目標を邪魔する
あれもやりたい、これもやりたい
これとこれどちらにしよう?
念のためこれもしておこうかな?
そう悩むことは多いと思います。
特に選択肢が多いほど、人は選択肢をなるべくとっておこうとします。
私たちが時間と努力を使ってしていることの中に、
実は消費しなくても良い時間と努力もあるのに、選択肢があるが故に悩んでしまうのです。
第7章で、愛着について述べていましたが
選択肢も、その選択肢を消すということの裏には「失う」という感情があります。
その選択肢をとっておいたことにおいて、もたらされるであろう結果を失いたくないのです。
Danは簡単なゲームの実験を学生にさせましたが、
選択肢をとっておくためにその選択肢の間を行ったり来たりするという傾向が見られました。
そして、その行動はひとつに集中するよりも効率が悪かったのです。
頑張って選択肢をつぶしていったときに、似たような物の間で迷うことがあるかと思います。
Danは2つの大学において教授として招かれていましたが
どちらの大学で教えるか決めかねていました。
働いている人に聞いたり、実際に近所を見てみたり、家族と相談したり。
そして気付いたそうです。
悩んでいる間に本が書けたと。
その時間と労力をかけて選んでいる間に、失われた時間と労力があったのです。