Predictably irrational- 予想どおりに不合理 第5章
第5章 強い感情と人間
この章は少し書くのをためらいましたが、人間として自然なことですので書きます。
人間は怒りや空腹などの強い感情に襲われる時、その感情にコントロールされてしまうことがあります。
普段は落ち着いた頭で考えるので、「いやいやそんなこと」と思いますが
落ち着いたときと強い感情に襲われた時、同じアンケートをしたら異なる解答が得られました。
人間は、自分のことを知っていて、コントロールできているようで、
コントロールできない他人になってしまうことがあります。
通常の状態で、最も論理的で頭のいい人もです。
ジキル博士とハイドみたいですね。
Danはその強い感情の例として、性的興奮を挙げています。
特に調査においてもタブーとされる分野です。
結果として、アメリカで多い10代の妊娠(計画していないもの)と性病について述べています。
<アンケート>
落ち着いた時と興奮した時に下記の項目の質問をすると
①性的嗜好
②モラル的な行動について→通常選ぶこと
③リスクのある性的行動について→通常選ばないこと
興奮した時の方がリスクのある、モラルのない選択をすることがわかりました。
10代の子供達に、むやみに「セックスはいけません」というのではなく
ー判断できなくなる前にどう避けるべきか
ーどのような思考/戦略でそのような状態を避けるか
ー今の行動でリスクをどのくらい避けられるか
といったことを教えるのが最も近道だと著者は言っています。
私もお腹がすいたり睡眠不足だと八つ当たりしたくなったりしてしまうのです。
いつもの自分は考えられないのですが。
若者の運転もアメリカでは問題になっています。
1人で運転する場合
相手が乗っている場合
2人乗って合計3人になる場合
相手が増えるほど交通事故の確率を押し上げます。
私も車を運転したのが15歳のときでした。
「1人で乗っている時にラジオをつけてはいけません」
「半年経つまで友達を乗せてはいけません」としつこく怒られました。
(結局家族を乗せていて事故に遭いましたが)
落ち着いた状態で「人を乗せたらダメよ」というのは簡単です。
でもその時になってしまっては遅い。
無理にでも、その状態に持って行かせないことが大切なのです。