Predictably irrational- 予想どおりに不合理 第11章
第11章 不誠実ということ
「あなたは、物を盗んだり、カンニングしたりしますか?」
します!
と答える人はいないでしょう。
事実、「誠実であるべきだ」というような質問には9割以上の人が「YES」と言います。
ではなぜ泥棒、詐欺、不正処理等といった犯罪が起きるのでしょうか。
2004年、アメリカでは、泥棒(車や貴重品など)による損失よりも、
いわゆるホワイトカラーの犯罪(ごまかしとか不正処理とか。。)の損失の方が大きかったそうです。
そこで実験。ハーバード大学の学生に50点満点のテストに解答してもらいます。
1 テストに答え、提出
2 テストに答え、提出せずに正解の数だけ報告
3 テストに答え、破棄したのちに正解の数を報告
4 3と同じ、報告したら正解数x10円の金額を入れ物から出して帰る
1はカンニングできません。2、3、4はできます。
結果、2、3、4はほぼ同じような数でカンニングしているような人がいました。
ただし全てのグループにいいて「全問正解」はなく、平均で3問くらい多く報告をしています。
見つかってしまうかもしれないという確率は関係なく、カンニングが見られました。
次は、
1 テストに答え、提出
2 テストに答え、破棄して正解の数だけ報告
3 モーセの十戒を書き出してもらってから、テストに答えて破棄、正解数を報告
3のグループのカンニングが減りました。
モラル的なことに触れた直後だと、人は誠実な行動をするということが結論づけられました。
章の終わりに、あえてこの十戒を載せた著者が私は好きです。
*十戒:聖書「出エジプト記」でモーセ (Moses) が 山頂で神から授かった 10 か条の戒めをいう
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主が唯一の神であること
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神の名をみだりに唱えてはならないこと
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安息日を守ること
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殺人をしてはいけないこと(汝、殺す無かれ)
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姦淫をしてはいけないこと
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盗んではいけないこと
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偽証してはいけないこと(嘘を言ってはならない)
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隣人の家をむさぼってはいけないこと
ふむふむ。
12章では「不誠実」の仕組みに迫ります!